■皮膚病コーナー
 
第4回 「脂肪織炎のお話」

 「あれ、何かできものができている。」と発見される病気のひとつに無菌性脂肪織炎というものがあります。最初はイボのような小さなかたまりで、そのまま 消えるものもありますが、ほとんどは除々に大きくなり、自壊(ベトベトでうんだような液体が出てくる)し、かさぶたができてしまいます。 治療をしないで、そのままにしておくと体のあらゆる部分に広がってしまい、発熱・食欲不振・嘔吐を伴うこともあります。 原因ははっきりとは解明されていませんが、自己免疫疾患だと考えられています。それゆえ、治療も免疫を抑制していくお薬を使っていくため、できるだけ 副作用の少ないお薬の内服が必要となります。「小さなイボ、それが実はワンちゃんの大きな敵となるかも知れません。」イボだと軽視しがちですが、早めに 来院されることをおすすめします。

 
第3回 「冬から春先に起こる皮膚病のお話」

 寒い日が続いておりますが、今回はこの時期に多く見られる寒冷凝集素症という皮膚病についてお話しましょう。 この疾患はそれほど多くはありませんが、冬〜春先にかけてポメラニアン・ミニチュアシュナウザーなどに比較的多く見られる皮膚病です。 原因ははっきり立証されていませんが、自分の免疫バランスが崩れることにより過剰にIgMという抗体が産生されることで発症します。 症状としては、体の末端部、特に耳の辺りのふちのかさぶた、色素沈着(耳のふちが黒くなる)、耳に亀裂が入ってさけてしますといったものです。 暖かくなり自然治癒する場合もありますが、そのまま治療しないと耳が壊死(腐っていく)していく場合も多々あります。さらに自己免疫疾患ですので 貧血や、白血球の上昇がみられ、食欲、元気がなくなったり、呼吸が苦しくなったり、まっ黄色の尿が出たりする自己免疫性溶血性貧血を併発することもあります。 お耳などが毛が抜け、冷たい触感で、色が変わってきたりするような症状がでたら来院して獣医さんに是非みてもらってください。

 
第2回 「アレルギーについてのお話」

 今回は、犬猫の皮膚病の中で最も多い疾患であるアレルギーについてお話します。前回も少しお話したように、毛が抜けて赤くなり、かゆがって 舐めるというのが最もわかりやすいアレルギーの特徴です。しかし、人と同じように犬猫においても様々なアレルギーがあります。アレルギーの 原因となるものには、生環環境中のハウスダスト、食物、散歩時に通る草木、食器、ノミ、ダニ、毛布、じゅうたんなどいろいろなものがあります。 それらの原因を見つけるために何に対して、アレルギーがあるのか検査をすることは確かに重要なことかも知れません。しかし、実際検査をして陽性(アレルギーの原因) となったものを全て除外してもアレルギーの症状が改善しないワンちゃんが結構いるというのも事実です。
 アレルギーとは生まれながらの体質に関与していることが多いため、人の花粉症などと同じで、完治するというのはまれです。つまり、お薬を長期間飲ませなくてはいけないのです。 アレルギー治療において、一番大切なことは、かゆみを止めてあげること、毛を生やすことだと思いますが、それと同時にどのようなアレルギーの可能性があるかを獣医師に診断して もらい、それを考慮にいれた上で、いかに体に負担の少ないお薬を飲んで、アレルギーと付き合っていくかということです。次回は、冬〜春先に起こるちょっと変わった皮膚病をご紹介しましょう!

第1回 「これって皮膚病?」

「これって皮膚病?」と飼い主さんがすぐに発見できるように、皮膚病とはペット達の皮膚に病変がみられる最も 分かりやすい病気の1つです。と同時に、診断、治療、コントロールはとてもむずかしいのです。皮膚病には、アレルギー、自己免疫疾患をはじめ数十種類もの病気が あります。かゆい・皮膚が脂っぽい・赤い・かさぶたができているなどが一般的な症状です。 このような症状があれば、お早めに動物病院で診てもらいましょう。さて次回はワンちゃんのアレルギーについてお話しましょう。

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